フランス:サンドニと周辺の熱気


 
写真1.アフリカ、アラビア特有のシルエットをした洋服を扱う店
以前パリに行ったとき、昔の指導教員に「観光客が普段行かない、ディープなパリに行こう」と言われどきどきして連れて行ってもらったサンドニ。

観光マップには危険エリアに書かれている。

今回私は南仏旅行からの帰りに集団でパリに訪れた。パリについた瞬間に、私は一人でサンドニにまた行きたいという衝動に駆られた。

メトロに乗り、サンドニに近づくにつれメトロ内の空気と自身の中がリンクしたように緊張が走る。

駅に着き、出口に上がった瞬間にたばこ売りの集団。何かを大声で叫ぶ人。それらを見えないふりをして、そこを素通りする。日本では全く感じない感覚。(写真1)

写真2.「ゴシック様式誕生の地」とされる記念碑的な建築サンドニ大聖堂

サンドニ大聖堂をめがけてふらふら散策する。以前、先生にごちそうになったコートジボアール料理が見えた。そこで食べたヤッサがおいしかったなぁと記憶がフラッシュバックする。

大聖堂前のセンター街までなんとかたどり着いた。アラビア、アフリカなどの様々な国籍の衣服、飲食店が並び、無国籍な異国情緒が漂うセンター街である。

センター街を通って、大聖堂を訪問。このサンドニ大聖堂は、単なる古い教会ではなく、西洋建築史において「ゴシック様式の誕生の地」とされる記念碑的な建築である。(写真2、3)

この歴史的建造物の周辺に異国情緒漂う街が形成されるのはとても興味深い。

その「歴史的建造物(聖)」と「混沌としたセンター街(俗)」が、境界線を引くことなく地続きに存在している光景こそが、サン=ドニの持つ抗いがたい引力かもしれない。

かつてフランス王家が権威の象徴として築き上げた「ゴシックの光」が、今は世界各地から集まった人々の生活の熱気と、剥き出しの生存本能に包まれている。その断絶にも似たコントラストは、美しい装飾で整えられたパリ中心部では決して味わえない、都市の「生きた構造」を突きつけてくる。

写真3.大聖堂前のカフェでエスプレッソを飲んだ


写真4.大聖堂前の広場で子供たち地面に投げつけ、パンパン鳴らした何か。気になっていたところ、ちょうど子供が箱を路上に捨てて、その箱を調べるとかんしゃく玉と呼ばれる玩具花火の一種であることが判明。

独特な緊張感や、記憶にあるヤッサの味、そして大聖堂の静謐な空気。それらが混ざり合うこの街に再び足が向いたのは、単なる再訪ではなく、綺麗にパッケージ化されていない「世界のリアル」との回路を自分の中に再び繋ぎ直そうとしたのかもしれない。(写真4)

かつての指導教員が「ディープ」と評したその場所は、過去の歴史を保存するだけの場所ではなく、常に変化し続ける多層的な文化の最前線として、今もそこに在り続ける。

匿名希望





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