日本:京都の街の音(その1)

  私は四条烏丸、四条河原町、三条烏丸、三条河原町のエリアを対象に、「京都の街における人工的な音」について調査している。あるがままの音すべてを採集し、音の景観をとらえるサウンドスケープと似ている部分もあるが、サウンドスケープは自然の音も採集するのに対して、私の研究ではあえて人工的な音のみを採集するようにしている。


写真1:調査地である四条の街の風景
『車の音や店からあふれる人口音がきこえる』

 「自然」と「人工」それぞれどういったものを指しているかということだが、『唯脳論』(1998,養老,ちくま学芸文庫)内の著者の記述より、私は「自然」を人の手が加わっていないもの、「人工」を人の手が加えられたものと認識している。この点において京都の街なみには人工の音が人間を常に取り囲んでいると私は考える。車の音、街中の工事の音、アナウンスの音など少し歩いただけでも数えきれないほどの人工的な音が耳に入ってくる。数万年前までは自然の中で暮らしていたにもかからず、だ。人間の体自体は睡眠や食などの生活の根本的な部分を見ると未だに原始時代から大して進化していない。しかし耳に入ってくる音は数万年で人工音が主流となった。私はそんな人工音が現在人間にどのように作用しているのかを調査している。


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