台湾:見えていたもの

 三か月というのはあっという間で、その時は時間の経過を気にすることはなかったのに、一か月、二か月と過ぎていくと時間の儚さに気付く。平日の午前中に行われていた中国語の授業も、午後や休日に行うFWやお出かけも、今では当たり前ではない貴重な体験だった。三か月もいると、いつの間にか外国での生活が当たり前になっていき、まるで前から生活していたかのようだった。台湾という同じアジアの国であり、日本と似ている文化のせいか、台湾に馴染むのはとても早かった。

私は台湾の雰囲気が好きだった。晴れている日もあるが基本的に雨の日が多く、空はどんよりとしていて、昼間なのに少し薄暗い。そんな日は外に出て、台湾の街並みを見ることが楽しみだった。台湾の人々は常に鞄の中に折り畳み傘を常備しているらしい。日本も似たような気候ではあるが、どんよりとした空と街並みの組み合わせは、台湾が日本よりもはるかに勝っていた。散歩しているとき、上を見上げれば漢字だけの看板がずらりと並んでいる。中国語は漢字のみで、しかも日本の漢字よりも難しいものを使っているせいか、強く、格好いいという印象だ。どんよりとした天気に、中国語の看板がズラリと並んだ、薄暗い台湾の街並みは独特な雰囲気が好きだった。

               写真1士林駅の近く(2024/03/02)
 

 

              写真2どこかの道路 (2024/05/23)

 

               写真3 寶蔵巌国際芸術村(2024/05/23)

台湾に行くまで台湾について全く知識がなかったのに、三か月もいると知ったような気でいる自分が面白い。帰ってきて色々な人に台湾について聞かれることが多い。そのたびにまた台湾に行きたくなる。このさき外国で暮らすという体験があるかはわからないが、台湾で過ごした三か月は貴重なものである。

 

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